アピストグラマをもっと知りたい。気付いたら嵌っていたドワーフシクリッドの飼育記録を綴ったブログです。

2017年7月30日日曜日

フィッシュアイ

Apistogramma sp. unibrow / sp. D50
A. sp. ユニブラウ / sp. D50

日本に一番最初に入荷した時の唯一の♂個体。

これって極上個体なんでしょうか・・・?

当初はとても地味な感じでしたが、普通に飼育していたらしっかりと頬赤になりました。

だから・・・、『頬赤極上』って言葉に釣られる必要は無いですよ~(笑)

はい。今回も軽くブッ込んだところで本日のテーマ。

口ほどに物を言う『アピストの眼』についてです。

Apistogramma cf. personata / sp. D39
A. sp. アルト・ヴァウペス I / sp. D39

Apistogramma sp. schwarzkehl / sp. D25
A. sp. シュワルツケール var / sp. D25

Apistogramma sp. pacman / sp. D12
A. sp. パックマン / sp. D12

アピストの眼ってホント綺麗ですよね!

※是非写真をクリックして拡大画像を見てください! マジで綺麗っす!

裸眼ではとても確認出来ないので、オイラの場合はマクロレンズが頼りなんですが・・・(^_^;)

種によってその色彩が異なるし、眼によりこれほど感情を表現する魚ってなかなか居ないと思うんですよね。

Apistogramma cf. hoignei / sp. D47
ところで、魚の眼の構造や部位の名称って知ってました?

オイラだけなのかな~

上の図のように、閉じない瞼の内側に白目と黒目があって、種によって充血もしくはアイライン・アイシャドウで化粧していると思ってた人って・・・(T_T)

Apistogramma cf. hoignei / sp. D47
閉じない瞼だと思っていたキラキラ光ってるところは『虹彩(こうさい)』って呼ぶそうです。

欧米人の青や緑の瞳も虹彩の色によるものです。

では虹彩は何故このような複雑な色をしているのでしょうか。

それは虹色素胞に含まれるグアニンの結晶が関係してるんだとか。

『虹色素胞』『グアニン』・・・。

あっ、何か思い出してきた!

以前『アピストの見てる世界』で色素胞について記事にしていました!

なるほど~、だからあんなに複雑な色の表現が出来るんですね~(^O^)

眼の断面図
人間と魚類の眼の構造は基本的に同じですが、大きく違う点がいくつかあります。

水晶体(レンズ)の形が違う。魚類の水晶体はほぼ球体です。

角膜が大きく、瞼は無い。しかし一部の魚には瞬膜(しゅんまく)や脂瞼(しけん)と言った瞼に相当する膜を持っているものも居ます。

瞳孔は開きっ放し。水中では陸上のように直射日光を受けないので、瞳孔を絞って光を制限する必要が無いためだそうです。

Apistogramma sp. unibrow / sp. D50
とても分かりやすい写真( ↑ )がありました!

虹彩全体を覆うように角膜があって、その内側に透明で丸い水晶体が見えますでしょうか!

こんなに外に飛び出していたんですねぇ~(^_^;)

眼のピント調整
眼を通して物を認識する方法は人間も魚も基本的に同じです。

角膜と水晶体により光を屈折させて眼底の網膜にピントを合わせていますが、屈折率は接する物質により異なってきます。

人間の場合、角膜と接しているのが空気のため角膜での屈折率が大きいので水晶体の厚みを変える事によりピント合わせが可能です。

魚類の場合は、角膜と接しているのが水です。そのため角膜での屈折がほとんど行われずより大きな屈折率を得るために水晶体の厚みが必要になり球体になったとされています。

ピント合わせする際は、球体である水晶体の厚みを変化させる事は難しいので水晶体自体を移動させて結像させています。

我々人間は水の中で目を開けた時ぼやけてよく見えない(遠視の状態になる)けど、水中メガネをしたら見えるようになるのは角膜と接するのが水から空気に変わるからなんです。

アピストグラマの視野と可視領域
水晶体の約半分が体から飛び出しているので、人間と比べて視野はかなり広いです。

しかし両目の視野が重なる部分でないと遠近感が分からないので、餌を摂取する際はこの両眼視野の約30度の範囲で行う必要があるようです。

アピストの見てる世界』で書きましたが、アピストの可視領域は人間が持っていない紫視物質を持っているため紫外線領域も見ることが出来ます。

人間が見て雌雄判別が難しい場合でも、紫外線の反射率に雌雄により大きな違いがあることから魚同士は簡単に識別出来ているようです。

Apistogramma sp. rotflecken / sp. D28
A. sp. ロートフレッケン / sp. D28 の通常時の表情。

アピストは気分により体色や目の表情が変化します。

この辺がオイラがアピストに飽きない理由なのかも知れません。

特にマクマス系は目の変化が激しいですね!

Apistogramma sp. rotflecken / sp. D28
少し興奮してきた状態。

目の下の黒いサブオービタルストライプが消えて下地の赤ポッチが出現!

そして目が細くなりました!

でもよく見ると、瞳孔の形が変わっている訳でも、虹彩の形が変わっている訳でも無いんですよね。

黒かった虹彩の上下部分が体色に近付き、口元からラテラルバンドに向かって黒い一直線のラインに見えるように色素胞が変化しているんです!

Apistogramma sp. rotflecken / sp. D28
更に興奮すると、お腹に攻撃班が出現し、そしてダークサイドに堕ちていきます(笑)

もしかしたら将来、目や瞳孔の形、虹彩の色の違いにより種の判別やグループ分けが出来たりする日が来るかもしれませんね!

Nannostomus marginatus
小型のカラシンが怒った表情は見たことが無いです。

時々同種間で追いかけっこしている時に、目の表情が変わったりするとカラシンも面白いなぁ~って思うんですけどね。

が、やっぱり同じ魚同士。

マジナータスを撮ってみたら、体色に合わせて虹彩の色素胞を変化させて模様のラインを形成していました(笑)


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6 件のコメント:

  1. ドクターマーハ2017年7月31日 0:53

    どうも。冒頭からいきなりぶっ込みましたな。まぁ、例えば通販だったら、極上とか言うより売る個体の写真が欲しいですよね。極上かどうかはコッチで決めるから。私たちは見て買えるから、あんまり関係ないけど。
    魚の眼の事よく分かりました。よく調べましたね〜何が気になってしまったのかな。

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  2. また凄い記事を書きましたね!
    そういえば何故赤かったりラテラルバンドと一直線に繋がっちゃうんだろうと不思議に思ってました。
    アピストはメスを追いかけてる時や、敵に反応して興奮している時なんかは特に眼が状態を表してますもんね。
    まぁ、そういうもんだろうと意味も考えずにいましたよ。
    いろいろと意味があるんですね!
    勉強になりました!

    返信削除
  3. > ドクターマーハさん

    何が気になってしまったかって・・・?
    流石!ちょっと尻すぼみ気味だったのが分かった!?
    実は、アピストの眼の形や色でグループ分けや種の特定が出来るんじゃないかと思っていたんですよ。
    例えばヴィエジタ系は意外と瞳孔の縁が赤く無い、とか。
    しかし目をクローズアップしたサンプル写真が少ないし、途中で面倒くさくなってしまい、カラシンと比較して無理矢理纏めてしまいました(^_^;)
    時間があれば是非いつかチャレンジしたいけどネ(笑)

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  4. > abotさん

    眼の虹彩部分が変化するのは分かったけど、どうしてそれが必要なのか、どういう意味があるのか細かい部分まではよく分かりません(^_^;)
    成育環境によるカムフラージュや威嚇が主な目的とは思っているのですが・・・。
    でも水晶体があんな風に実際に丸いのが確認出来たし、今後の目標みたいなのが出来たので自分自身も色々と勉強になりました!
    今後も深く追求するかはまだ不透明(笑)

    返信削除
  5. 梨乃のパパ2017年8月3日 16:08

    どうもです~
    コメ遅くスマンネ~(汗)
    中々勉強に成るね~デスモっち~のブログは
    永久保存版だな!!!(笑)素晴らしい!!
    少し~心配は謎が無く成りデスモっち~が飽きて
    クワガタでも飼いだすんじゃ~無いかと?(爆)

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  6. > 梨乃のパパさん

    いや~、もっと突っ込んでいくつもりでしたが面倒くさくなってしまいました(笑)
    まだまだ謎が解明出来ていない部分もあるので飽きていませんが、クワガタは無いかな(笑)
    子供の頃、もうイヤというくらい毎日採ってましたから(笑)
    でももし飽きてしまったら今度は何処に行くんだろう・・・。
    全く想像出来ません(笑)

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