アピストグラマをもっと知りたい。気付いたら嵌っていたドワーフシクリッドの飼育記録を綴ったブログです。

2018年11月5日月曜日

さらば、ホセ・・・

Apistogramma sp. Kiemenfleck / sp.D37
A. sp. サンノゼ、改め、A. sp. Kiemenfleck(キーメンフレック) / sp. D37

『ホセ!』や『サンホセ』『サンノゼ』『D37』等と呼ばれていたこのアピストに遂に名前が付きました!

因みに"Kiemenfleck"とはドイツ語で鰓蓋のスポットという意味。この他に英語名で"Gill-spot(ギルスポット)"という別名も用意されていて意味は同じです。

今回は正式に学名記載されたわけではなく、sp. 付きの名前なのでこの名前に統一しましょう!、という拘束力(?)は決してありません。

しかし誤った情報から日本でのみ『ホセ』等と呼ばれていた名前が今後是正されていくことを期待します。

Apistogramma sp. Kiemenfleck / sp.D37
↑ German Cichlid Society (DCG) インフォメーション

とは、ドイツシクリッド学会が月刊で発行している学会誌です。

(※ 内容については著作権の関係でボカシてあります。)

はい!この表紙に注~目!

北欧シクリッド学会誌(Ciklidbladet)に続き、我が家のアピストがドイツシクリッド学会誌の表紙を飾りましたぁ~(^O^)

そして実は・・・

今までもヨーロッパを中心にアピスト研究者を通じてアピストの写真や情報を提供してきましたが、今回はちょっと違います・・・。

何と、今回は私が『発案者』としてドイツシクリッド学会誌に記載されました。もちろんドイツ人のフランクと連名ですが(^-^;

それでも、日本人の名前がドイツシクリッド学会誌の発案者として登場したのは初めての事だと思います。

それについて特に調査していないので多分、ですが(^-^;

Apistogramma sp. Kiemenfleck / sp.D37
どうしてこういう経緯になったのか、ここで説明しておきます。

このアピストが初めて日本に纏まって入荷したのが2017年の2月。変わったアピストだなぁ~と感じたのが見た時の第一印象でした。

しかししばらくの間採集場所が何処なのかサッパリ判らない状態が続き、その後、輸入時のパッキング袋に書かれた『San José』という文字を見つけた人が採集場所を『サン・ホセ』と偽ったのが事の始まりです。

当時そんな適当だった事など全く知らない我々は『サン・ホセ』がグアビアーレ県にある『サン・ホセ・デル・グアビアーレ』という街の名前なのか、それともサン・ホセ川という川があるのかどうかGoogleMapでしらみ潰しに調べましたよ・・・。はい。。。

結局『サン・ホセ』が街の名前なのか、川の名前なのかも判らないまま日本では『サン・ホセ』と名前が定着してしまい、私もFacebookに『どうだ!新種!サン・ホセ』と自慢げにアップしたところ・・・

『デスモ、何でサン・ホセって名前なんだい?』とごもっともな質問が・・・。

もちろんその時はそれまで長時間掛けて調べ上げた情報を基に真摯に対応しましたが、そこにこのアピストの第一発見者であるダニエルが登場して、『デスモ、それはデタラメだ』と・・・。

『いやいや、日本では街の名前か川の名前かは判らないけどサン・ホセで採集されたアピストで間違いないはず』などと応戦しても相手は第一発見者のダニエル。敵うはずもありません・・・。

その時の事を今思い出しても顔から火が出る思いです(^-^;

その後ダニエルとFB上で親交を深め、当初は乱獲を防ぐために教えてもらえなかった採集場所も詳しく教えてもらえる事になりました。

では何故サン・ホセと名前が出てきてしまったのか・・・。

長期の採集旅行を行う際には採集場所の近くの街にベースキャンプ的な場所を構えます。

通常ヴァウペス川の採集であれば、ミツという街をその拠点にする事が多いのですが、このキーメンフレックの採集の場合はミツよりもサン・ホセ・デル・グアビアーレという街の方が都合が良かったのでこの町を拠点としたようです。

そして何故かパッキング袋に『San José』の文字が書かれていた、とそんな経緯です。

しかし採集場所はこの時点でまだ公になっていないので日本では相変わらず『サン・ホセ』のまま。

そんな日本の状況を心配したドイツのフランクが、『デスモ、このアピストをドイツのシクリッド学会で一緒に発表してみないか?』との誘いがありました。去年のちょうど今頃のことです。

当初私は写真や情報のみを提供する提供者との位置付けだと認識していたのですが、結局は提供者ではなく発案者になることに。

そしてどうせなら名前もD37ではなく新たな名前を考えようということになり、この種の大きな特徴である鰓蓋にある『V字』を連想させる『sp. Kiemenfleck / sp. Gill-spot』となったのです。

Apistogramma sp. Kiemenfleck / sp.D37
さてこのキーメンフレックの生息地ですが、

イニリダ川の源流、もしくはヴァウペス川の源流域にある沼地とされています。

2017年の2月に、Daniel Mejia(コロンビア)、Tom Christoffersen(ノルウェー)、Ernst van Genne(オランダ)がイニリダ川源流域で最初に発見しました。

その後ヴァウペス川の源流域でもキーメンフレックがsp.D39(sp.AltoVaupés I)と共に発見されました。

イニリダ川とヴァウペス川をGoogleMapで上流に向かって辿っていくと同じような場所に辿り着くはずです。実はこの二つの川の源流はとても近く大体20km圏内なのです。

生息地には一般的なアピストの隠れ家と言われる枯れ葉は一切なく、彼らは岸辺の草陰や流木・木の根の間にひっそりと身を隠して暮らしているようです。

種として見れば、このキーメンフレックはアラクリナグループに属するのは間違い無いと思います。

しかし細かく部位を調べていくとアラクリナには無い独特な特徴が出てくるためにアラクリナとは別種と判断しました。

他にも色々情報が掲載されていますが、ドイツ語なので私も含めサッパリ理解出来ないと思います。

しかし英語版が ↓ にありますので興味のある方は是非日本語に翻訳してみてください。

http://apisto.sites.no/page.aspx?PageID=126

そうなのです!

な、何と、アピストを始めた頃から教科書のように見ていたノルウェーのTomCのサイトに我が家のアピストの写真が掲載されています!

私が撮影した写真や名前がTomCのサイトに掲載される日がやってくるなんて想像もしていませんでした。

とても参考になる情報が盛り沢山のサイトです。

【アピスト種名一覧】
http://apisto.sites.no/page.aspx?PageID=124

【アピストのグループ判別】
http://apisto.sites.no/page.aspx?PageId=116

【アピストの歴史】
http://apisto.sites.no/page.aspx?pageid=119

これらはアメリカのマイク・ワイズ氏が惜しみなく情報を晒していて、今や世界のアピストマニアの教科書的存在ですので、時間があれば是非ご覧になってください。

ここで、今回のキーメンフレックの記事にご協力いただいた、Daniel Mejia, Tom Christoffersen, Uwe Römer, Ernst van Genne, Bruno Magis, Erik Bakker, Vincent van der Meij, Roland Kipper(敬称略)といった現在世界のアピスト界を引っ張っている学者・研究者、そしてこの発案に誘ってくれ色々な情報を教えてくれたFrank Hättich氏に深く感謝します。


・・・とは言え、

日本では新しい名前にはなかなか移行出来ないと予想しています。

私自身もブログなどでは今後『キーメンフレック』と記載するつもりですが、会話の中では呼び慣れた『ホセ!』を使うと思います。

でも今考えれば今回の『サン・ホセ』って名前を付けてしまった事は日本のアピスト界において恥ずべき事だと思うのです。

何故日本では新種と思われる種の名前に安易に採集場所の川の名を付けたがるのか・・・。

当時、一見してアラクリナグループに属する事はすぐに判ったはずなのだから取りあえずの名前を『cf.アラクリナ』とかという名前に出来なかったのだろうか。

販売側は採集場所が『サン・ホセ』っていう情報のみを伝えたはずが、購入者には種名としてsp.サン・ホセと認識されてしまった可能性もありますが、それはともかく今回の『サン・ホセ』の件は日本のアピスト界において反省すべき問題だと思います。


Apistogramma sp. Kiemenfleck / sp.D37
まだ話は終わりません(笑)

↑ この写真、2016年の10月末にヴァウペス川のミツからcf.ペルソナータ混じりでやって来た当時1~2cm程度のチビアピスト。

音羽の店主が問屋の水槽からめざとく混じり抜きしてきたアピストです。雌雄も判らずペアでなく単品での販売でしたが、1匹〇万円でした。

販売時はcf.ホイグネイでしたが、育てていくうちにアラクリナに近い種だと判りました。

そして今見ると・・・、これやっぱり今回のsp.キーメンフレックです!

今思えば何故ミツから来たのか、何故cf.ペルソナータと一緒だったのか・・・、もしやcf.ペルソナータではなくD39だったのか?

などと想いを巡らします。

しかしそれよりも重要なのが・・・、今回のキーメンフレックは2017年の2月にダニエル達により初めて発見された、とされていますが、上の写真のアピストが本当にキーメンフレックだとすれば・・・、

最初の発見者は音羽の店主、S藤氏ということになります。

やはり・・・、神ぃ~~~(笑)


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2018年10月15日月曜日

どちらの壁に向かう?

IAPLC 2018
今年の応募作です。

水槽上下のデザインは、昨日上位27作品の紹介に使われていたデザインをマルっとパクってやりました(笑)

毎年のことながら、上位の優秀な作品を見てようやく自分のレイアウトを客観的に見れるようになります。

今年の上位作品を見た後の自分のレイアウトの感想は、『レイアウトが若い』でした。

もう少し時間の経過を表現しなければならない、というのと、120cm水槽でのレイアウトとしてはダイナミックさに欠けていました。

このレイアウトなら90cm水槽でも作れるよなぁ~(>_<)

来年はこの辺りをもう一度考え直してチャレンジしたいと思います。

が、来年チャレンジする方皆さん同じだと思いますが、どちらの方向へ向かうかです。

本来向かうべきだった元祖ネイチャーアクアリウム式にするのか、それとも流行りのジオラマ式にするのか・・・。

私は元祖ネイチャーアクアリウム + アルファでじっくり構図を考えてみたいと思います。





Apistogramma arua
A. アルア

Apistogramma arua
相変わらずキタナイねぇ~(^-^;

Apistogramma arua
このアピストに華やかさを求めてはイケマセン!

Apistogramma arua
そのシルエット、表情や体色の変化を楽しむアピストなのです( *´艸`)

Apistogramma arua
相変わらず興奮すると唇が真っ黒になるねぇ~(笑)

このアピストを取り上げた理由は特に無いのですが、以前記事にした時から変化があるのかどうか確認したくて出してみました。

大して変化は無かったようです(^-^;





Apistogramma sp. D52
ついでなので、以前の記事の時に一緒に載せていたA. sp. D52

Apistogramma sp. D52
ちょっと大きくなって大人らしくなったかな。

Apistogramma sp. D52
当初はとても心配でしたが、♂♀は確定しました。

Apistogramma sp. D52
貴重なアピストだけに他のアピストよりもかなり気を遣っています。

Apistogramma sp. D52
過保護すぎるくらい・・・、そして余計なことはしない(^-^;

Apistogramma sp. D52
卵の色は一般的なピンク(オレンジ)色というのは何度か確認出来ています。

では!


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2018年9月30日日曜日

ナッシング

Apistogramma cf. flabellicauda
A. cf. flabellicauda 、または新種

と、この時までは思っていました。

Apistogramma cf. flabellicauda
先日イニリダエグループのアピストを分類したばかりというのに、また厄介な種が到来してしまいました(^-^;

Apistogramma cf. flabellicauda
最初に実物を見た時は、そのフォルムからリネアタかぁ~、と思ったのですが、な、何と尾びれに模様がナッシング!

更に頬周りの隈取りがリネアタのそれとは異なっている・・・。

Apistogramma cf. flabellicauda
マジかぁ~、まだこんな種が居たとは・・・。

Apistogramma cf. flabellicauda
♀の尾びれの模様も他の種に比べて少ないように感じる。

昨日まで今にも産みそうな雰囲気だったけど、今朝見た時何か不穏な動きをしてました。

取りあえず見て見ぬ振りして軽くスルーしておきました(^-^;

さて、この種を新種と言っても良いのかどうか・・・。

今回も3名の方に比較対象として登場していただきます(笑)

Apistogramma lineata
まずはリネアタ。年季の入った超ビッグサイズです。

Apistogramma sp. blutkehl / Type2
そしてsp.ブルトケール(Type2)。

Apistogramma flabellicauda
最後にフラベリカウダです。

Apistogramma cf. flabellicauda
最初に尾びれの形を見てみましょう。

左上が今回の種です。確かに初見で感じたようにリネアタに近いです。

でも・・・、尾鰭の柄は無し。

Apistogramma cf. flabellicauda
次に顔周りを見てみましょう。

やっぱりリネアタとは違う。顎の辺りの雰囲気はウアウペシーやブルトに近いですね。

となると、どの種にも当てはまらないから『新種!』

・・・・・・

と今までは騒ぎ立てていたかもしれません・・・。

しかし先日わざわざダニグループを分類したのは、こんな日が来る事を予測していたからである(嘘)

なので先日の分類表に基づき今回のアピストを分類してみます。

以前より欧米のアピスト研究者とやり取りをしていて、幸いにも彼らのダニグループの分類の仕方は私の考えていたものとほぼ同じでした。

尾鰭の形に関しては、個体差や成長と共に変化する可能性があるので判別の要素としては弱い部位です。例えばエリザベの尾びれは変化していきます。

また顔周りの模様や色についても個体差があるし、環境によって変化するのであまり重要視されていません。

何度も言ってますが、残念ながら現在日本で呼んでいるアピストの名前は彼らが命名・分類してきたものなので仕方ないですね。

「郷に入れば郷に従え」ってヤツです・・・。

まずは、『ダニバンドの有無』。

これは無いです。なのでこの時点でブルトとイニリダエは消えました。

次に、『尾鰭の形と模様』。

形はライヤーです。ということは残るは、ウアウペシー、フラベリ、リネアタ、セーゲルとなります。

しかし尾鰭に模様がありません。

ここで行き詰りました・・・。候補が居なくなってしまいました・・・。

しかしある有力な情報筋によると、フラベリカウダは成長するにつれて尾鰭の模様が消えていくというのが判明しました。

となると、この時点で可能性がある種はフラベリカウダだけになります。

そう言われると、よ~く尾びれを見てみると真ん中に模様らしき痕跡が見えます。

もしかしたら幼魚の時は尾鰭に模様があったのでは・・・?

私が見た♂は全ての個体が大きくて、尾鰭の模様をしっかり確認することが出来ませんでした。

なので次回入荷した時に、小さな♂個体の尾びれを見てから判断しようと思っていたのですが、今日とあるサイトの♂らしき写真を見て確信しました。

その小さな♂個体の尾びれには模様があったのです!

なので現時点での私の判断は、cf.フラベリカウダです。

Apistogramma cf. flabellicauda
sp."Suge~"とかsp."ブラックリバー"とか呼ばれているようですが・・・(^-^;

ならば未記載種のほとんどのアピストを『sp.ブラックリバー』と呼ぶことが出来ると思うし、見る人によっては"not Suge~"と思うかもしれません。

ちょっとそれはナッシングです。

・・・、センスが(笑) ε=ε=ε=ε=ε=┌( ̄◇ ̄;)┘(逃)


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