アピストグラマをもっと知りたい。気付いたら嵌っていたドワーフシクリッドの飼育記録を綴ったブログです。

2018年9月30日日曜日

ナッシング

Apistogramma cf. flabellicauda
A. cf. flabellicauda 、または新種

と、この時までは思っていました。

Apistogramma cf. flabellicauda
先日イニリダエグループのアピストを分類したばかりというのに、また厄介な種が到来してしまいました(^-^;

Apistogramma cf. flabellicauda
最初に実物を見た時は、そのフォルムからリネアタかぁ~、と思ったのですが、な、何と尾びれに模様がナッシング!

更に頬周りの隈取りがリネアタのそれとは異なっている・・・。

Apistogramma cf. flabellicauda
マジかぁ~、まだこんな種が居たとは・・・。

Apistogramma cf. flabellicauda
♀の尾びれの模様も他の種に比べて少ないように感じる。

昨日まで今にも産みそうな雰囲気だったけど、今朝見た時何か不穏な動きをしてました。

取りあえず見て見ぬ振りして軽くスルーしておきました(^-^;

さて、この種を新種と言っても良いのかどうか・・・。

今回も3名の方に比較対象として登場していただきます(笑)

Apistogramma lineata
まずはリネアタ。年季の入った超ビッグサイズです。

Apistogramma sp. blutkehl / Type2
そしてsp.ブルトケール(Type2)。

Apistogramma flabellicauda
最後にフラベリカウダです。

Apistogramma cf. flabellicauda
最初に尾びれの形を見てみましょう。

左上が今回の種です。確かに初見で感じたようにリネアタに近いです。

でも・・・、尾鰭の柄は無し。

Apistogramma cf. flabellicauda
次に顔周りを見てみましょう。

やっぱりリネアタとは違う。顎の辺りの雰囲気はウアウペシーやブルトに近いですね。

となると、どの種にも当てはまらないから『新種!』

・・・・・・

と今までは騒ぎ立てていたかもしれません・・・。

しかし先日わざわざダニグループを分類したのは、こんな日が来る事を予測していたからである(嘘)

なので先日の分類表に基づき今回のアピストを分類してみます。

以前より欧米のアピスト研究者とやり取りをしていて、幸いにも彼らのダニグループの分類の仕方は私の考えていたものとほぼ同じでした。

尾鰭の形に関しては、個体差や成長と共に変化する可能性があるので判別の要素としては弱い部位です。例えばエリザベの尾びれは変化していきます。

また顔周りの模様や色についても個体差があるし、環境によって変化するのであまり重要視されていません。

何度も言ってますが、残念ながら現在日本で呼んでいるアピストの名前は彼らが命名・分類してきたものなので仕方ないですね。

「郷に入れば郷に従え」ってヤツです・・・。

まずは、『ダニバンドの有無』。

これは無いです。なのでこの時点でブルトとイニリダエは消えました。

次に、『尾鰭の形と模様』。

形はライヤーです。ということは残るは、ウアウペシー、フラベリ、リネアタ、セーゲルとなります。

しかし尾鰭に模様がありません。

ここで行き詰りました・・・。候補が居なくなってしまいました・・・。

しかしある有力な情報筋によると、フラベリカウダに属する一部の種は成長するにつれて尾鰭の模様が消えていくというのが判明しました。

となると、この時点で可能性がある種はフラベリカウダだけになります。

そう言われると、よ~く尾びれを見てみると真ん中に模様らしき痕跡が見えます。

もしかしたら幼魚の時は尾鰭に模様があったのでは・・・?

私が見た♂は全ての個体が大きくて、尾鰭の模様をしっかり確認することが出来ませんでした。

なので次回入荷した時に、小さな♂個体の尾びれを見てから判断しようと思っていたのですが、今日とあるサイトの♂らしき写真を見て確信しました。

その小さな♂個体の尾びれには模様があったのです!

なので現時点での私の判断は、cf.フラベリカウダです。

Apistogramma cf. flabellicauda
sp."Suge~"とかsp."ブラックリバー"とか呼ばれているようですが・・・(^-^;

ならば未記載種のほとんどのアピストを『sp.ブラックリバー』と呼ぶことが出来ると思うし、見る人によっては"not Suge~"と思うかもしれません。

ちょっとそれはナッシングです。

・・・、センスが(笑) ε=ε=ε=ε=ε=┌( ̄◇ ̄;)┘(逃)


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2018年9月20日木曜日

フィルター de スポンジ

Apistogramma sp. D25
A. sp. D25

Apistogramma sp. D25
ヴィエジタと呼ばれる種の中で、極めて美しい種だと個人的に思っています。

そして水草の緑に映えます!

Apistogramma sp. D25
「水草水槽ではアピストを飼育しない」宣言をしたような記憶が何となくありますが、60cmのポッチャン水槽を水草水槽に変更して飼育しています(^-^;

Apistogramma sp. D25
フィルターは外部、底床はもちろん栄養系ソイルです。

水草は、前景にアフリカンチェーンソード、後景にツーテンプル、ハイグロフィラ sp.グァンシー、イエローアマニア、エイクホルニア sp.ロライマという布陣。

レイアウトとは無縁の水草水槽となっております(^-^;

スポンジフィルター
そしてツーテンプルやハイグロ等生長が早い水草は、水面に達したらアピスト水槽に。

もちろん底床はソイルではないので、土管や流木にビニタイでくっ付けているだけ。

これまた浮き草と同じように水草が根を伸ばし順調に生長する水槽と全くダメな水槽が出てくるので不思議なものです。

さてスポンジフィルターの話。

上の写真のように我が家のアピスト水槽のほとんどはLSS研究所のスポンジフィルター(LS-40)を使用しています。

このスポンジフィルターの良い点・・・
  • 緑色じゃない(笑)
  • スポンジ部分を縦にセット出来る。
  • スポンジの材質が柔らかく滅多にへたらない。

このスポンジフィルターの悪い点・・・
  • 吸盤が外れる(笑)
この点はどのスポンジフィルターでも同じですね(^-^;

ディスカスを飼育していた時に使用してこのスポンジフィルターの良さを実感しました。

スポンジを縦にセットすることにより上部の面積が少なくなりスポンジの上に砂やその他諸々のゴミ等の堆積が少ないのです。

そしてこのスポンジは弾力性があり、2年くらい使用しても全く変形することがありません。

このような理由でこのスポンジフィルターを使用していますが、ただしこのスポンジの大きさは40リットル用なのです。

私が主に使用している30cmキューブ水槽では濾過面積が大きいのが難点。

特に今年の夏のような猛暑だと部屋全体をエアコン管理していても水温が上がる一方。

その結果、水槽内のバクテリアの活性も上がってバクテリアが爆殖して酸素不足になるわ、排出される二酸化炭素と溜まる硝酸塩によりpHはグングンと下がっていきました。

普段あまりpHを気にしないのですが、やたらと尾びれを閉じてるアピストが目についたのでpHを測ってみたらほとんどの水槽が3台に突入していました(^-^;

時間が経過していないスポンジだったら一旦スポンジを水槽の外に取り出してニギニギすれば余計なバクテリアを減らして濾過の行き過ぎをストップすることが出来ますが、完全に濾過が成熟してしまったスポンジはニギニギしても1ヶ月後にはまたバクテリアが繁殖して濾過が行き過ぎてしまいます。

だったら濾過バクテリアが元気なこの時期ならば、濾過部に大きな変化を与えてもそれほどダメージは無いはずなので以前から考えていたことを実行しました。

スポンジフィルター
左奥のフィルターを置き型に変更しました。

同じくLSSのフィルターで30リットル用(LS-30S)です。

ただこの置き型のフィルターは水の排出部が付属しておらず、普通に使用した場合は泡が真っすぐ上に出てしまうので水しぶきとブクブク音が問題になります。

そこで以前使っていたLS-40の排出部を付属のハイプに押し込んでみたらそれほど問題なく取り付ける事が出来ました(^O^)

スポンジフィルター
そしてバクテリアのスムーズな移行のために以前使っていたスポンジを輪切りにして土台部分にセットしました。

この大きさのスポンジフィルターだったら30cmキューブにちょうど良いはず。

特に問題なくバクテリアの移行が出来ているようなので、現在は我が家の水槽の半分がこの置き型スポンジフィルターに変わっています。

きっと近いうちに全てのアピスト水槽がこのスポンジフィルターに変わってるはずです(笑)


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2018年9月14日金曜日

ダニグループを分類してみよう!

以前のフラベリカウダの記事により多少混乱させてしまっているようですみませんm(__)m

また一部誤解もされている部分もあるようで・・・、重ね重ねすみません!

今回はそのお詫びの意味も込めて、イニリダエグループに属しているアピストの見分け方を整理していこうと思います。

ただし、「ワシはそのアピストが綺麗だったら種なんて関係ないんや!」なんて思っている方にはあまり役に立たないと思いますので読み飛ばしてください(^-^;

まず分類については、マイク・ワイズ氏が作成したアピストグラマ種名リストを基に話を進めていこうと思います。

現在主に知られているアピストの分類方法は、目や口の周りにある細孔と呼ばれる肉眼ではほとんど見えない小さなクレーターのような(恐らく感覚器官の)数により大きなグループに分類されています。

そして体色や鰭の形状等の違いにはさほど捉われず、黒色のメラニン色素の形や大きさを判別の重要な要素として更に細分化されています。

従って将来DNA解析等詳細な研究が進めば現在の分類が変わってくる可能性があります。

ではイニリダエグループのおさらいです。

写真 記載 別名(シノニム) 生息地
イニリダエ 記載種 A. sp. Fladenflossen
A. sp. Thread-fin
イニリダ川
オリノコ川上流域
sp.ブルトケール 未記載 A. sp. Cutthroat オリノコ川上中流域
グアビアーレ川
ウアウペシー 記載種 A. sp. Rotkeil/Red-wedge
A. sp. Arica
A. sp. Ararira
A. sp. Felsen/Rock
A. sp. Ventuari 2
ネグロ川
ウアウペス川~ヴァウペス川
フラベリカウダ 記載種 オリノコ川上中流域
Río Autana
ウアウペス川
リネアタ 記載種 オリノコ川上流域
sp.イサナ 未記載 イサナ川
sp.セーゲルフロッセン 未記載 A. sp. Sail-fin オリノコ川中流域
Río Autana
sp.D42 - 未記載 ネグロ川上流域
sp.D44 - 未記載 (Bouncing Apisto)
sp.D51 - 未記載 ネグロ川最上流域

基本的にはこの10種になります。今年発見されたsp.D51もこのグループに入ります。

それでは早速分類の仕方について説明していきたいと思います。

内容としては、『お腹の模様』『尾鰭の形/模様』『顔周りの模様』で大体の種を分類出来ます。

イニリダエグループの分類
まずは『お腹の模様』です。

ラテラルバンドの下にほぼ垂直に黒い染みのような模様の有無を見ます。

我々仲間の間では、これをいつしか『ダニバンド』と呼んでいます(笑) 上の写真で言うと右側がダニバンドです。

一方左側はダニバンドは無く、ラテラルバンドと平行に細い線が入っています。これはアブドミナルストライプと呼ばれています。

ダニバンドは常に出ている模様ではありませんが、もしこのダニバンドが出た場合は、イニリダエかブルトケールとなります。


イニリダエグループの分類
次に『尾鰭の形と模様』です。

上が「ライヤーテール」、左が「ラウンドテール」、右が「スペードテール(かも(笑))」です。

これはオス個体に限ったことですが、これも種を判定するための要素となります。

尾鰭の模様についてはほとんどの種に存在しますが、フラベリカウダは尾鰭の真ん中のみで上下には模様はありません。またブルトケールには尾鰭に全く模様が入らないタイプが居ます。今のところ別種とは思えないのでかなりレアなケースですがブルトの範疇かと思われます。


イニリダエグループの分類
次は『顔周りの模様』。

これについては模様が出現する個体とそうでない個体が居る可能性があるので、マイク・ワイズ氏は種を判別する上で重要視していませんが、興奮すると普段出ていない模様がドッと出てくる事が多いので確認してみてください。

上は「鰓蓋から顎下まで模様が出るタイプ」、左が「顎下に模様が出るタイプ」、右が「模様が出ないタイプ」です。

右の個体はイニリダエですが、生息地によりイニリダエにも隈取が出る個体がいます。

このタイプは、cf.イニリダエ(red gill cover markings)と呼ばれています。


以上をふまえて整理し直したのが下の表です。

写真 お腹 尾鰭
イニリダエ ダニバンド ラウンド 隈取無し
cf. イニリダエ
(red gill cover markings)
ダニバンド ラウンド 隈取有り
鰓蓋~顎下
sp.ブルトケール(Type1) ダニバンド ライヤー
模様有り
隈取有り
顎下
sp.ブルトケール(Type2) ダニバンド ライヤー
模様無し
隈取有り
顎下
ウアウペシー アブドミナルストライプ ライヤー 隈取有り
顎下
フラベリカウダ アブドミナルストライプ ライヤー
中央のみ模様有り
もしくは模様無し
隈取有り
鰓蓋~顎下
リネアタ アブドミナルストライプ ライヤー 隈取有り
鰓蓋~顎下
sp.イサナ アブドミナルストライプ スペード 隈取?
sp.セーゲルフロッセン アブドミナルストライプ ライヤー 隈取無し
sp.セーゲルフロッセン
 / sp.アウタナ
- アブドミナルストライプ ライヤー 隈取有り
sp.D42 - アブドミナルストライプ ライヤー
中央のみ模様有り
隈取有り
鰓蓋~顎下
sp.D44 - 不明 不明 不明
sp.D51 - アブドミナルストライプ ラウンド 隈取有り
鰓蓋~顎下

どうでしょうか?

『お腹の模様』→『尾鰭の形/模様』→『顔周りの模様』の順番に判別していけば大体の種の判定が出来ると思います。

今後研究が進むと、現在未記載種が新たな種名で記載されたり、既存の種に含まれたりすると思われますのでそれを待ちましょう・・・。

欧米と比較して、アピストに特化した研究者が居なかったり、学会が存在しない日本では悲しいことに待つことしか出来ないのです・・・。

あっ、注意しなければいけない事があります・・・。

今回のはあくまでもオス個体の判別方法です。メス個体は・・・(^-^;

オスは慣れてくると顔を見ると大体この種だな、と判断出来るようになるのですが、メスは一見してよく判らないケースがほとんどです(^-^;

そこにつけこんで&#=@*$・・・

でもこのように似たような種でもよ~く観察していくと細かな違いが見えてきます。

そんなところが面白かったりするのですが、これってやっぱり○態ですか?(笑)

例えば・・・、

sp. ミウア等
赤い丸部分を見てください。

尾筒前のラテラルバンドとその下のアブドミナルバンドの形状が少し違うのが分かりますでしょうか。

上の写真ではその間がかなり狭くなってくっ付いているように見えますが、下の二つはそれぞれの間隔を保ったままアブドミナルバンドは尾鰭の方に伸びています。

実は、上の写真がsp.ミウア、左がsp.イエローミウア、右がメンデジーです。

この部分の違いだけを見ると、やっぱりイエローミウアはメンデジーに近いんだなぁ~と感じとることが出来ると思います。

そんなところが面白かったりするのですが、でも・・・やっぱりこれって○態ですか?(笑)


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